【事例】
家族構成は、父、母、長男、長女、二女。長男が父の土地に二世帯住宅を建築。父・母と同居して、晩年は身の回りの世話もしていました。 父・母が相次いで亡くなった後、長女、二女が法定相続分の相続(各自3分の1ずつ)を主張。相続財産は上記土地以外にはありませんでした。 調停が申し立てられたが不調となり、審判となりました。審判では、長女、二女の主張がほぼ認められ、土地・建物を売却し、土地売却代金を3等分することとされました。 長男は建物建築費のために組んだローンを差し引くと、残りはほとんどなく、自宅の買い替えも不可能となってしまいました。 この結論は父の遺志に沿うものだったのでしょうか?やはり、このような場合には遺言を残しておくべきではないでしょうか? 「長男に相続財産の全部を相続させる」との遺言が残されていた場合、長女、二女は、遺留分(法定相続分の2分の1、この事例では6分の1ずつ)の主張ができるのみとなり、長男の負担ははるかに軽くなるのです。
夫婦の間に子供がいない場合
夫婦間に子供がなく、相続人が配偶者と自分の兄弟姉妹という場合、配偶者の法定相続分は3/4となり、残りの1/4を兄弟姉妹が分割して相続することになりますが、配偶者に全部を相続させたい場合には、必ず遺言を残しておくべきです。 例えば「妻に全部を相続させる」という遺言を残しておけば、兄弟姉妹には遺留分がないので、兄弟姉妹は遺産に対して何の権利も主張できません。その結果、遺言どおり妻が全部を相続することができるのです。
そのほかの場合
その他、遺言を残しておくべき場合の例として、以下の場合が考えられます。
1) 子供の中に、法定相続分より多く財産を渡したい者がいる場合。
2) 先妻の子供と後妻がいる場合
3) 法定相続人以外の者(息子の妻や内縁の妻)に相続させたい場合
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