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エッセイ

あっという間の1年

田所 良平 会員

今思うこと

ふと気がつけば、昨年の10月に弁護士登録をしてからもうすぐ1年が経とうとしています。新人と呼ばれるのもあと少し、もうすぐ事務所に後輩が入ってきます。果たして自分はこの1年でどれだけ成長したのか、少し不安になりますが、1年前の自分と比べれば、失敗の中からも少しは成長している…はず。

当番弁護士での失敗

慣れれば当たり前の手続きも、最初は、たくさん恥をかきました。特に、最初の当番事件であった少年事件では多くのことを学びました。

年明け早々、息子が建造物侵入、窃盗で逮捕された両親からその日の内に派遣要請があり、接見した結果、受任することになったのですが、さっそくやってしまいました。「少年事件=付添人」という間違った固定観念があったため、被疑者段階にもかかわらず、弁選ではなく、付選に署名・捺印をもらって警察署を後にしたのです。指印証明をくれた留置係がけげんそうな顔をしていたのを覚えています。事務所に戻って少年事件のマニュアル本を読んで初めて間違いに気付き、翌日再度接見に行ったことは言うまでもありません。

他方、大人と同じかと思っていたら少年は違ったということもあります。父親から、「先生、息子はいつになったら釈放されるのでしょうか?」と尋ねられ、「通常、勾留期間は20日間です。お子さんには余罪もあるそうですから、さらに再逮捕の可能性もありますね。そうなると、最悪40日になることも覚悟してください。」などと答えました。父親はかなり不安そうでした。事務所に戻ってマニュアル本を確認すると、少年事件は原則10日で家裁送致される等の記載を発見。あわてて父親に電話をして、同じことを説明しました。10日後、少年は家裁送致となり、受験を控えていたことから観護措置決定を免れました。

このように恥をかきながら少年事件の手続きを学んだこの事件は、約3か月後、最終的に不処分で終わりました。

充実の日々

失敗を繰りかえしたこの1年はあっという間でした。人は年をとるごとに時の経つのが早くなるといいますが、弁護士になると、さらにターボがかかったように、格段にスピードアップしたように思います。もっとも、その超ハイスピードな日々を振り返ってみると、弁護士としての日々は、それ以前とは比べものにならない、濃縮された、充実感のある日々です。日々、たくさんの人と出会い、相談を聴き、ともに怒り、ともに悩み、ともに喜び、ときにケンカもする。ものすごい勢いで上り下りを繰り返して回転もするジェットコースターのような毎日です。そこそこやれてるのかな、でもやっぱりまだまだだよな、という感じですが、遙か彼方まで続く山道を、ほんの少しずつでも上れているという実感はあります。

これから長い弁護士人生、一日一日、一つ一つの事件を大事にしていきたいと思います。

 

 

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