HOME > エッセイリレーエッセイ2019年平成最後の「リレーエッセイ」(2019年3月)
エッセイ

平成最後の「リレーエッセイ」

松尾 裕介 会員

 前号で当欄を執筆された小峰将太郎会員(東弁)からバトンを渡されたものの、小峰会員の強烈なダイエット記事の後に何を書けばいいのかと思い悩み、なかなか筆が進まず苦悶していたところ、ふとあることに気づきました。

 

 本号は平成31年3月発行ですが、次号は5月発行であり、周知のとおり5月1日から新元号に移行しますので、当欄は平成最後の「リレーエッセイ」ということになります。

 私は昭和57年生まれで、物心ついたころから現在まで、人生のほとんどを平成という時代の中で過ごしましたので、平成が終わることには一抹の寂しさを覚えます。

 

 芸能界を見ても、SMAPの解散、安室奈美恵さんの引退、嵐の活動休止など、一時代を築いたアーティストに関する寂しいニュースが相次ぎ、また、昭和の名優の訃報に

接することも多く、時代の移り変わりを感じます。

 

 個人的には、私の趣味の1つである将棋で、平成元年に自身初のタイトルである「竜王」を獲得され、平成7年に将棋界初の七冠制覇(年度の全タイトル制覇)を達成された羽生善治先生が、昨年12月、平成最後の「竜王」戦で、平成3年以来27年ぶりに無冠となったことが、大変ショッキングな出来事でした。

 もちろん、羽生先生もこれから巻き返されると確信していますが、近年の若手棋士の台頭は目覚ましく、羽生先生だけが飛び抜けて強かった時代というのは、確実に終わったのだと思います。

 

 将棋界では、藤井聡太七段が16歳でありながら数々の記録を打ち立て、一流棋士を次々と撃破し、快進撃を続けています。 

 藤井七段をはじめ、近年の若手棋士は、羽生先生やそれより前の世代が積み上げてきた経験知を当然の前提として吸収したうえで、AIを研究パートナーとして取り入れることで、飛躍的に強くなってきました。

 

 1つの時代の終わりは、新しい時代の始まりです。新しい時代を生きる人々は、過去の経験を活かして、よりよい時代にしていかなければなりませんし、その力を持っていると思います。

 

 振り返れば、平成という時代は、その元号に込められた願いに反して、国際的には戦争や内戦、テロ事件が多く、国内では阪神大震災や東日本大震災などの大災害に見舞われましたし、地下鉄サリン事件などの大規模なものから児童虐待死事件のような陰湿なものまで、凄惨な事件が多かったように思います。

 

 天皇・皇后両陛下の、常に平和を願われ、大災害の折に避難所で膝を付かれて被災者と同じ目線で寄り添ってこられた御姿は、我々の胸に深く刻まれていると思います。

 

 天災は避けられませんが、人災は避けることができます。

 

 新しい時代こそは、両陛下が願われているような、平和な世の中になりますように。

 

 さて、長々とオチのない話を続けてきましたが、エッセイですので、最後は私事を。突然ですが、平成の終わりと共に、独身生活にも終わりを告げることになりました。私自身も、平成時代の私の経験や反省を活かして成長していきたいと思います。ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

 

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