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【 相続で名義変更料必要か 】
八木良和 掲載日:2006年8月4日
≪質問≫

 父が亡くなったので、実家の建物を私が単独で相続し、母と同居することになり、建物の相続登記を済ませました。土地が借地なので、地主に相続したことを報告すると、地主から、賃貸借契約書を書き換えて名義変更料を支払えといわれました。名義変更料を支払わなければならないのでしょうか。

≪回答≫

◆譲渡・転貸以外は不要
  土地の賃借人が、その借地権を譲渡・転貸するには賃貸人の承諾が必要です。賃貸人に無断で賃借権を譲渡・転貸した場合、悪質と判断されれば契約を解除されて借地権を失い、建物収去と土地明け渡しを求められることもあります。
  今回の場合、名義変更料を支払う必要があるかという質問ですが、結論をいうと、相続による借地権取得の場合は、名義変更料を支払う必要はありません。
  借地権の名義変更料を支払わなければならないのは、借地権を譲渡・転貸する場合です。この場合の「譲渡」というのは、売買、贈与、競落などの場合を指し、相続や会社の合併などはその対象になりません。
  このことを知ってか知らずか、相続の場合にも、名義変更料を請求してくる地主が時々います。しかし、相続の場合は名義変更料を支払う必要はありませんし、契約書を書き換えなくても借地権は相続人に移ります。
  ちなみに、借地権を譲渡・転貸する場合は、地主の承諾が必要ですが、地主が承諾してくれないこともあります。地主が承諾してくれないために借地権という財産が無価値になるのも困ります。そこで、地主が承諾しない場合、借地人は裁判所に地主の承諾に代わる許可を求めます。
  裁判所が借地権譲渡の許可を与える場合は、金銭の支払いを条件にしています。都内の場合、借地権の10%くらいの金銭支払いが条件になります。借地権の価格が更地の7割の場合は、更地価格の7%くらいの支払いということになります。
  裁判所での結果がほぼ予想できるので、最近は裁判にならずに話し合いで決着するのが普通です。従って、都内の場合は、借地権価格の10%くらい(更地価格の7%くらい)が、借地権譲渡の承諾料=名義変更料とされているようです。

≪関連法令≫
民法612条、同896条、借地借家法19条
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