| 多摩支部発足の経緯 |
| 1 多摩支部の発足 |
| 平成10年4月1日、東京弁護士会、第一東京弁護士会及び第二東京弁護士会(以下「東京三会」)の多摩支部がそろって発足しました。ここに至るまでには、平成元年6月17日の三多摩弁護士クラブの総会で支部創設を目指す機構改革検討委員会の設置を決議してから10年の歳月を要しました。 |
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| 2 多摩支部創設の背景 |
多摩は、自由民権運動発祥の地の一つであり、五日市憲法草案誕生の地でもあります。
「多摩」は、従来「三多摩」と言われ、北多摩、南多摩、西多摩の3郡からなり、明治の初期は神奈川県に属していましたが、明治26年東京府に編入され、東京市等とともに東京府を構成してきました。
この三多摩は、昭和18年に東京都制の施行により東京都の一部となり、その後多くの町村の合併等により市政を敷き、郡を頭書する必要のある行政区域は西多摩郡下の3町1村に限定されたため、「多摩」の呼称が適切となりました。そうして、平成3年当時、人口365万人にも達し静岡県の人口に匹敵し、全国の都道府県のそれと比較し第11位を占め、しかもその範囲は東京23区の1.86倍の地域に拡がり、そこに27市3町1村の自治体が各々独立して行政の運営に当たってきたものです。
このような状況の下に、近年、この地区の社会、政治、経済の各方面での変化、変貌は目を見張るばかりであり、都心と同様な、時には都心にも見られない特異な社会的な事象も生起してきました。このために、多摩地区の住民は区部の住民と同様、或いはそれ以上の法的サービスの提供を必要とする環境の下に置かれてきました。例えば人口流入による借地・借家紛争の増大、交通量の増大による事故の多発、農地の宅地化に伴う相続問題の増加、悪徳商法による各種被害の発生、公害の多発、米軍基地問題の発生、暴力事犯等各種犯罪の増加等々への対応の問題であります。
ところでこの法的サービスを担うべき司法機構は、八王子に裁判所、検察庁がそれぞれの支部を設け、一応、相応の機能を整備して住民の需要にこたえているものの、それすら他県人口との対比、処理する事件数(東京地、家裁八王子支部の民事、刑事、家事等の事件数は全国の各本庁に伍して常に第4位ないし第6位)との比較からすれば、本庁の存在さえ望まれる状況であって、現状はなお不十分なものと言えます。
ところが最も住民に密着して法的サービスを行うべき弁護士会においては、単位弁護士会はもとより、弁護士会支部さえも存在しない状況でした。
もっとも、そこにはかろうじて、自発的に弁護士会支部の代替的機能を営もうと努力していた三多摩弁護士クラブがあって、東京三弁護士会八王子法律相談センター・法律扶助協会東京都支部多摩相談センターの設置・運営に貢献してきましたが、残念ながら弁護士法に基づく組織ではなく、その法的、財政的な基盤は脆弱そのものでした。
しかも、それは単なる形式的な機構の問題に止まらず、現実に東京23区の住民が霞ヶ関で東京三会の十指に余る各種相談コーナー等による法的サービスを受けられるのに、多摩地区の住民は僅かに八王子の法律相談センターと立川の法律扶助協会支部分室によるサービスを受けられるに過ぎない、という甚だしい格差を生んできたのです。
自由と人権についての輝かしい歴史を持つ多摩地区の住民にとっては、まことに納得し難い現状と言えます。人権擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士、とりわけ、このような膨大かつ緊急な法的サービスを求められている多摩地区で活動する弁護士としては、とうてい看過し得ないところでした。 |
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| 3 多摩支部創設の端緒 |
| 三多摩弁護士クラブは、昭和63年秋、創立40周年記念式典を開催しましたが、その際自治体の首長から多摩地区にはなぜ弁護士会の正規の組織や物的施設がないのかという素朴な質問を受け、今更ながら多摩地区住民に対する各種相談窓口の不存在、23区との格差を痛感させられ、これが端緒となって、三多摩弁護士クラブ内に弁護士会支部設置に向けての運動の展開の必要を説く声が湧きあがってきたのです。 |
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| 4 多摩支部の創設と会館の建設 |
その後10年間を経て歴史的な支部誕生を迎えたのでありますが、その間における三多摩弁護士クラブ及び会員の多額の経済的負担、担当委員会委員の膨大な時間と労力の提供、多摩地区27市3町1村の首長の方々の支援、本会理事者・担当委員会委員の理解等々の諸要因により、ここに支部設立の運びとなったものです。
あわせて、同クラブは会館建設準備委員会を設けて弁護士会専用ビルの建設を計画しこれを実行してきました。多くの困難な問題を含んだこの計画につき、先駆的な有志の方々を初めとして実に200名余りのクラブ内外の賛同者から6000万円を越える資金の提供があり、これを会館建設基金の中核として平成10年8月には多摩弁護士会館も完成するに至りました。 |
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