●立ち見もでる大盛況!

寸劇「八王子の裁判所へようこそ!」 。家裁の待合室。離婚調停中の夫と妻が鉢合わせ。 |
260人が寸劇を見て笑い,パネルディスカッションを聞いて共に考えた。
多摩支部と東京三会が主催した「第2回 首都圏弁護士会支部サミット」が,平成16年12月4日(土)午後2時から八王子市クリエイトホールにて開催された。
首都圏にある裁判所支部では人口が急増し事件数も大幅に増加しているにもかかわらず,司法インフラの整備が追いつかず,利用者である市民が不利益を受けている。そこで,これら支部の弁護士が一堂に会して,各地の問題点を広く市民に訴え,共に考え,市民の司法を実現する場として,昨年の川崎に引き続いて開催された。多摩支部の平成16年度特別事業を兼ねての開催であった。

寸劇「八王子の裁判所へようこそ!」 。警察署の留置場。検察官不足で捜査がなかなか進まない。 |
主催者側としては市民が関心を持ちにくい地味なテーマと考え,参加者数が大変心配であった。ところが開場になると,次々に人が座席を埋めていった。170名の座席は全てが埋まり,急遽設置した補助椅子も置き場がなくなり,数十人が立ち見となるほどの大盛況であった。結局,総員260名もの参加を得,うち200名弱が一般の方であった。主催者側の発想は大間違いであった。
●支部会員が熱演!寸劇「八王子の裁判所へようこそ!」

寸劇「八王子の裁判所へようこそ!」 。家裁の待合室。調停期日が入らずぼやく依頼者(右)となだめる弁護士(左)。 |
冒頭,主催者を代表して,佐藤誠一二弁副会長と関戸勉東弁支部長から挨拶があり,高橋伸二関弁連理事長と黒須隆一八王子市長から後援者挨拶があった。特に黒須市長からは,130年もの間八王子に裁判所が存在してきた重みを考えて欲しいとの発言があった。
次いで,多摩支部会員の企画・脚本・演出・出演による寸劇「八王子の裁判所へようこそ!」が行われた。

寸劇「八王子の裁判所へようこそ!」 。裁判官不足で期日が入らない。 |
バスガイドならぬ“裁判所ガイド”の案内に導かれて,家裁の待合室,地裁の民事法廷,接見の3シーンが披露された。狭い待合室における当事者間のトラブル,調停室不足・裁判官不足による期日の入りにくさ,検察官不足による勾留延長の常態化などの問題が,ユーモラスに演じられた。厳しい指導のもとに稽古を繰り返してきた出演者は,当日はとっておきのアドリブも駆使し,あちこちで笑いを惹き起した。アンケート結果も,「問題提起としては非常に良かった」「セミプロ級の上出来でした」「おもしろくてとてもわかりやすかった」などと,極めて好評であった。露木肇子会員(実行委員会イベント部会長)率いる多摩支部弁護士劇団の快進撃は,止まらない。 ●パネルディスカッションで共に考える。

パネルディスカッション |
寸劇の内容を受けて,杉井静子首都圏支部サミット実行委員会委員長が基調報告を行った。首都圏各支部の共通問題・固有問題を,簡潔に網羅した分かりやすい説明で,市民の理解を深めた。
次いで,パネルディスカッションが行われた。コーディネーターは馬場榮次実行委員会副委員長。パネリストは,横浜弁護士会相模原支部の齋藤佐知子支部長,千葉県弁護士会松戸支部の大作公夫支部長,多摩支部の中村一郎実行委員会事務局長と,日弁連裁判官制度・地域司法計画推進本部の間部俊明副本部長の4名であった。
各支部からは,合議制の不存在,雨漏りだらけの庁舎,裁判官等の超多忙状況,120万人の人口を抱えながら裁判所支部すらない状況,400万人の人口を抱えながら裁判所支部が一つしかない状況など,各地の問題点が訴えられた。また,市民の司法実現の観点から,裁判官・検察官の大幅増員の必要性等が訴えられた。
会場発言では,やはり東京地家裁八王子支部の立川移転問題に絡んでの発言が多かった。遠路はるばる駆けつけた福岡県弁護士会北九州部会の福田玄祥弁護士は,「小倉支部の本庁化を地域の法曹界,経済界,政界一丸となって推進している。全国最大の支部である八王子支部の本庁化を強く進めて欲しい」との熱い訴えが披露された。また,女性問題の視点から「家裁支部は八王子に残すべき」,地元の立場から「地家裁とも支部を八王子に残してほしい」等の意見が出された。全司法からも,移転問題に関する情報不足や現庁舎の問題点などが示された。
アンケート結果では「よく分かった」との回答が多かったが,他方で「時間が少ない」との意見も多く,もっと議論をしたいとの市民の熱意が感じられた。
●八王子支部移転問題への市民の強い関心
最後に,山下正祐二弁支部長から提案された集会宣言が拍手で採択され,清水保彦一弁支部長の閉会挨拶で本サミットは幕を閉じた。来年もこのサミットを開催する予定である。
なお当日の模様は,午後8時45分からのNHK首都圏ニュースで放映された。
〈参加した弁護士会の各支部〉
東京三弁護士会多摩支部
横浜弁護士会川崎支部,県西支部,横須賀支部,相模原支部
埼玉弁護士会川越支部,越谷支部,熊谷支部
千葉県弁護士会松戸支部,市川・船橋支部。
(首都圏支部サミット実行委員会事務局長 中村一郎) |