150人の前で熱演
平成18年2月25日、福生市民会館において、平成10年に支部が設立されて以来、毎年行っている特別事業の1つとして、東京三弁護士会多摩支部主催、福生市後援の模擬裁判劇「ドメスティックバイオレンス殺人事件」が開催された。福生市民や法科大学院生などが裁判員として参加し、第一東京弁護士会の多摩支部会員でもある大澤孝征弁護士が評議の進行を行い、150名以上の参加を得て、盛況のもとに、模擬裁判劇が行われた。
裁判劇に先立ち、福生市の野澤久人市長からご挨拶をいただき、続いて第二東京弁護士会の伊東卓副会長の挨拶があり、裁判劇が始まった。
正当防衛の正否を争う裁判に
裁判劇の内容は、失業をしたために毎日酒浸りとなった夫の家庭内暴力に苦しむ再婚の妻が、夫の暴力に耐えかねて、包丁で夫を刺したが、幸いにも死亡には至らなかったというものである。
様々な論点があり得るが、裁判劇においては、正当防衛の成否が中心的な論点として取り上げられた。
支部の弁護士、専門知識?を生かして迫力満点
例年通り、裁判劇の配役は全員が多摩支部会員の弁護士であった。全員が役作りに熱心に取り組み、特に本番では、練習には全くなかった裁判官による補充質問を行うなど、より実際の裁判に近い状況での裁判劇となった。
そして検察官側、弁護人側ともに、実際の裁判員を意識した論告・弁論を行い、迫力あるものとして訴えかけ、練習にはなかった緊張した場面を展開した。
大澤会員が見せた評議のテクニック
評議に関しては、大澤会員が、裁判官としての自分自身の意見を押し付けることなく、各裁判員の意見を上手に引き出し、論点毎に、意見を簡潔に理由を付けて質問し、各裁判員の考え方を導きだした。
裁判員となった市民の方々も、いろいろな観点から意見を述べ、見ていて納得出来る議論を展開していた。
司会は、以前に特別事業の一環として府中で開催された「恋の三多摩殺人事件」でも上手に司会をされた大森会員の軽妙な進行で、手際よく、時間通りの進行がなされた。
裁判員の証拠判断に高い評価
模擬裁判終了後に、大澤会員による講評が行われた。
その中で、今回の裁判員として参加してくれた裁判員が、客観的な診断書のような証拠を中心に論を進めるという観点のすばらしさ、質の高さ等について意見を交え、まとめられた。
その他、裁判員制度については、要点を適切にまとめて名取孝浩会員が解説を行い、DVについては定評のある真野文恵会員が解説を行い、市民に対する理解の便宜を図った。最後に第二東京弁護士会多摩支部須合勝博支部長の挨拶で閉会となった。
特別事業実行委員長 井 上 寛
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